日本で「ツールデコレーション」やってます。
と言っても多分ほとんどの方は????だと思います。
そこで、この「ツールデコレーション」について、そしてツールドフランスがやってこない日本でなぜこんなことをやっているのか改めてじっくり説明します。
全ては壮大な野望「いつかツールドフランス級の自転車レースに家の前を通ってもらう」ためです。ものすごーく迂遠な道筋ではありますが。。
そもそも「ツールデコレーション」とは何か
ツールドフランスを彩る賑やかな装飾。これを勝手に「ツールデコレーション」と呼ぶことにしました。
「ツールデコレーション」
定義:ツールドフランスに合わせて家などを飾ること。


沿道の街ではツールがやってくる何週間も前から飾りつけを行います。
これは自分たちの街に来てくれるツールドフランスの一団を歓迎するためです。
大事なことは、一部の自転車マニアだけではなく、地元の人々誰もがツールドフランスを大歓迎しているということ。
超一流の選手が自分たちの街にやって来てくれることが嬉しくて、大人も子供もワクワクしているのです。
まさに Bienvenue Au Tour de France! (ようこそツールドフランス!)です。
「ツールデコレーション」はフランスでいかに自転車が愛されているかを表す証拠なのです。
「ツールデコレーション」は誰がやっているのか

ツールデコレーションをする人は様々です。
オフィシャルが設置するスタートやゴールの大規模な装飾もありますし、沿道の自治体などが主体となって行う街の装飾や、空撮用の巨大なモニュメントなども広い意味でツールデコレーションと呼べるでしょう。
自治体の名前が描かれた巨大マイヨジョーヌや、家々に配られたフラッグやステッカーは国際映像で世界中に映され、宣伝効果抜群です。
だけど個人的に好きなのは、普通の人が家やお店に施すデコレーション。


家々の窓辺に飾られたガーランドや自転車といった微笑ましいものから、壁面を水玉で埋め尽くす大胆なものまで。
ツールがよく通るピレネーやアルプスの小さな村などの定番デコレーションもあれば、初めて通る街の斬新なものまで。自転車への愛が伝わります。
どれもツールがやってくるのが楽しみでワクワクしながら一生懸命作ったんだろうな、という手作り感がたまりません。
「ツールデコレーション」は自転車への愛
このような装飾があることに気づいたのは,ツールドフランスを初めて現地で観戦した時のこと。
国際映像では映らないこのささやかな装飾に、地元の方々のツールドフランスへの愛を感じ、一気に虜になってしまったのです。
この可愛らしい窓辺こそ、フランスでツールドフランスが愛され、自転車乗りが尊敬されていることの象徴なのではないだろうか?と思うと愛しさと、少しの羨望が沸き起こるのです。
自転車がひとつの「文化」として根付いているフランスなどヨーロッパの国々へのあこがれです。
「ツールデコレーション」を日本でやるということ

ではフランスから遠く離れた日本でなぜ「ツールデコレーション」をしているのか。
単純に面白いから!かわいいから!そしてツールドフランスを見るのが楽しくなるから!です。
だけど実はもう一つ大切な理由があります。
日本でも、多くの人に自転車を愛してロードレースを楽しんでもらいたいのです。
関係者の努力もあり、地域の自転車レースやイベントは増加しているし、オリンピックのロードレースも東京の市街地を通るなど、自転車競技は徐々に浸透してきていると思います。
それでもまだまだ自転車が邪魔者扱いされることも多い日本。特に市街地を走るロードレースを実施するのはなかなか大変な状況です。
それならば、正攻法ではなくてからめ手で、自転車を歓迎してみてはどうだろうか?自転車楽しいよ!ということが伝わらないだろうか?
そこで「ツールデコレーション」です。
愛される自転車競技「ツールドフランス」。
それを象徴する「ツールデコレーション」。
まずは「ツールデコレーション」を面白いと思ってもらい、そこから自転車いいね!と思ってもらえないだろうか。
自転車が愛され、ロードレースをお祭りみたいに楽しめたらいいな、という気持ちで「ツールデコレーション」を飾っています。
奇想天外、荒唐無稽に思われることを覚悟で、目標を掲げています。
いつの日か、本当にツールドフランス(級)のプロトンに家の前を通ってもらう!
その時、葉山の町は大歓迎しますよ、という練習を今しているところです。
とまあ壮大な理念はともかく。賑やかに飾っているので気軽に遊びにきてくださいな。